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ヨーロッパのワイン基準に並ぶ「GI利根沼田」認定日本酒の特長
2021年1月に取得した「GI利根沼田」認定日本酒の生産基準は大きく4つ。
1.指定した産地で穫れたお米のみを使用
2.群馬県が指定した地元の酵母のみを使用
3.米と?を使った伝統製法
4.ビンテージ表記
使用する酵母まで産地を指定するというのは珍しく、ビンテージ表記の規定についても日本酒のGIとしては初めてで、
極めて厳しい基準となります。ビンテージ表記は年毎に一定の個性が生まれることから、
その違いを楽しんでもらいたいという考えで定めました。
県単位ではなく、利根沼田という限られた地区で認証を受けていることも特徴です。
取得にあたり、永井酒造を含む4つの蔵での合意形成が必要となりましたが、
100年以上も前から横のつながりがあるこの土地では、
技術の交換会を行っていた歴史があるので自然な流れでした。
群馬県北部に位置する利根沼田地域は約15万年前の赤城山噴火による火山灰で形成された水はけの良い土壌と、川が張り巡らされた河岸段丘という地形により、特色のある軟水が生まれ、この土地で醸造される日本酒に透明感のある味わいや色調を与えています。
欧米ではワインの銘酒が生まれるところは川が流れている、という表現がありますが、利根沼田地区にも日本を代表する利根川、片品川をはじめ多数の一級河川が流れ、日本酒造りに恵まれている土地だと言えるのではないでしょうか。
また、群馬県の中では降水量が多く、日照時間が長い地域であり、一日の中で寒暖の差が大きく、良質な米が収穫できる条件が揃っています。冬には季節風を伴ってしばしば雪や雨が降り、寒さが厳しい気候であることから、酒造りの環境にも適しています。
三位一体で生まれた永井酒造の認定酒
「利根沼田GI」認定における永井酒造の酒造りは、米、水、技という大きな特徴が3つあり、これらが1:1:1の割合で三位一体であることが重要と言えます。水と米はその土地で育まれたもの、そして技はずっと造り続けて伝承してきた蔵が持っているものです。
1.幻のお米「雪ほたか」の存在
特徴の一つ目の“米”、これは利根沼田地域を代表する川場村産のブランド米「雪ほたか」を用いています。米・食味分析鑑定コンクール国際大会で14回最高金賞を受賞し、生産量の少なさから一般には流通しない幻のお米とも言われている食用米です。
「雪ほたか」は一般的な酒米とうまみの表現が違うように感じます。
酒米として最も使われている山田錦から出るうまみより強く、
かつ複雑な味わいとミネラル感があり、バランスが取れています。
後味には奥ゆかしいうまみがあり、複雑な味わいで余韻も長いです。
この特徴的なうまみを持つ「雪ほたか」が育つ川場村は、群馬県の北東部、武尊山の南麓に位置し、
利根沼田地区特有の地形により運ばれてくる豊富な水により田畑が潤う恵まれた環境にあります。
通常は同じ土地で作物を作り続けると栄養が偏った地質になりますが、
ミネラルを豊富に含んだ水が潤沢に運ばれてくることにより土地が劣化せず、
うまみは強く、複雑な味わいのお米を作り続けることができるのです。
さらに日照時間が長く、日当たりの良い標高450〜600mに広がる農地は、
ブドウと同じくお米の栽培でも必要としている昼と夜の寒暖差があり、良いお米を作る条件が揃っています。
永井酒造株式会社
【群馬に根差す老舗酒蔵がフランス・ブルゴーニュ地方のワインに倣い取り組む、新しい地域ブランディングとしての「GI利根沼田」】
より一部抜粋